はりきゅう鍼藺堂

ご挨拶

こんにちは、院長の久津美 清巳(くつみ きよみ)と申します。
 私はコンピュータの専門学校の講師から鍼灸師に転職しました。 理由は? 私の息子には障害があります。そのため将来自立した社会生活が出来ないであろうと考えたためです。息子の障害は広汎性発達障害(自閉症)です。自閉症を病気だと知らない方には、ひきこもりや対人恐怖症、内気な性格のように考えられていますが全く違います。自閉症は生まれつきの”脳の障害”です。現代医学では治すことができません。
 また障害があっても知能指数が高い場合(健常者とはいえないレベルでも)、行政から障害者として認めてもらえないのです。脳の障害のため自立して社会生活が送れなくても健常者として扱われます。
息子は見た目が健常者と変わらないため、話すのが苦手な人付き合いが悪い人と思われます。病気の知識が無い人から見ると、気持ちを入れ替えて頑張れば何とかなると思われてしまいます。しかし、生まれつきの脳の障害なのでどうすることもできません。そこで妻と話し合い私が鍼灸師となり息子と一緒に働くことで、地域社会に貢献していこうと考えました。現在息子は特別支援学校を卒業して障がい者就労支援施設で働いています。何年か後に鍼灸院で一緒に働きたと考えています。
 話は少し変わりますが鍼灸師となって良かったことは、息子に鍼灸の施術をすると状態が良くなるということです。具体的には、子音の発音が良くなる、落ち着いて話をすることができる、質問の答が単語ではなく文章で返ってくる、コミュニケーションが取りやすくなるなどです。
 これは私の施術が従来の鍼を身体に刺し筋肉を緩める施術ではなく、皮膚の表面に鍼を接触させ気を動かす古典鍼灸術(三千年以上連綿と続く経絡治療)であるためです。 鍼を使って皮膚表面の気を動かします(刺さないの痛くありません)。
気を動かすことで五臓六腑の調整を行います。脳に機能障害あっても、全身の気の流れを調整をすることで正常な状態に近づけていくことができます。 経絡治療を続けていくことで、息子はさらにスムーズなコミュニケーションが取れるようになっていくと考えています。
追伸1(2013/4/7)
 息子に本格的な経絡治療を続けて3年になります。昨日驚くべきことが起こりました。それは、短い時間で作文を書くことができるようになりました。今までは400字詰め原稿用紙1枚を埋めるのに3〜4日必要だったのですが、今回は1時間位で埋めることができました。
理由を聞いてみると、クラスの他の生徒の作文朗読に耳を傾けるようになったそうです。他者の行動から学ぶことができるようになっているようです。
 これは鍼で五臓六腑を整えることで、脳髄に影響を与えたのです。鍼を続けることで今まで閉じていたチャンネルが開いたのです。一度開かれたチャンネルは閉じることはありません。古典治療の素晴らしさを日々感じています。
追伸2(2014.4.27)
 家族で実家の母のところに車で出かける途中、道すがら桜がきれいに咲いていました。
その桜を見た息子が「桜の花が赤く咲いている。綺麗だな。」と、つぶやいていました。
うれしかった。18年間一緒に暮らしてきましたが、春の桜に寄り添って心から出てきた情緒的な言葉をはじめて聞きました。鍼灸施術の効果がさらに進み、脳に影響が出てきたと実感しました。
 鍼灸は五臓六腑の施術です。五臓とは、肝、心、脾、肺、腎。六腑とは、胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦 です。脳は直接の施術対象になっていません。
 息子は自閉症です。脳のドウパミンのやり取りがうまく出来ません。西洋医学では根本治療できない脳の病気です。しかし鍼灸施術(経絡治療)は五臓六腑を治療し、脳に影響を与えることができます。そのことを新ためて実感しました。
 西洋医学で治療方法が無いとか、症状を止めるため一生薬を飲み続けてくださいと宣告されても、東洋医学では自分の力で何とかなることもあるのです。
追伸3(2015.12.31)
 紅白歌合戦を見ながら好きな曲を楽しそうに口ずさんでいます。その楽しそうな様子を見てうれしく思いました。もっと早く・・・。保育園に入る前から鍼灸施術をしていたら、もっと早くこの日が来たのだと思いました。皆さん諦めずに症状についてご相談ください。
追伸4(2017.6.24)
 息子の楽しみが1つ増えました。最近NHKで「超入門!落語 THE MOVIE」という落語にアテブリ芝居を組み合わせた番組が始まりました。最初は無理やり見せていましたが、この頃は自らテレビをつけて、アテブリ落語に熱中して楽しそうに笑っています。どうやら落語の落ちが分かって楽しんでいるようです。
追伸5(2018.8.1)
また息子に出来ることが増えました。
特別支援学校を卒業して5年になります。
同窓会の幹事は名簿順で回ってくるので、今年は息子の番でした。

事前に同窓会役員会議に出席した息子は、自ら同窓会クラス代表を志願しました。
そして皆で集まる同窓会は、絵伝言ゲームで楽しむと役員に話していました。
家に戻り早速、絵伝言ゲームの司会進行のシナリオを妻と話し合って作っていました。
同窓会当日、私と妻が息子をサポートしながら、久しぶりに会った友達と絵伝言ゲームを楽みました。

特別支援学校に通っていたころを思い返すと、夏休みの思い出が書けず何日間も悩み続けていた姿や、コミュニケーションが苦手なため、表に出ることがなかった息子が自ら代表になって物事を実行するなんて…
中学生の頃から施術を続けているため、五臓六腑の協力関係がしっかりしてきて、オマケの臓器である脳を整理して使うことができるようになっているのだと驚きました。
このまま鍼施術を続けることで、自分を表現する能力がもっともっと増えて行くのだと確信した同窓会でした。

追伸6(2019.07.27)
 家族で数年ぶりにカラオケに行きました。息子のレパートリーは増えているのかなと期待をしながら入店。何を歌うのかなと思っていたら、松任谷由実、中島みゆき、ボーカロイド。ゲームソングから恋の歌まで、幅広く歌っていました。私の知らないうちに色々な楽曲に触れていた事に驚きました。
 息子が選んで歌っていた曲の幅広さから、西洋医学的には改善しない情緒が成長しているように感じました。週1で約10年続けてきた経絡治療が、発達障害の息子の心を広げている事に驚きと感謝を感じる夜でした。

院長 久津美 清巳(くつみ きよみ)
 1964年度 新潟県 生まれ
  東京理科大学卒、理科教員免許取得、私立武蔵高等学校にて化学実験助手。
  根津化学研究所にて理科教育研究(界面活性剤炎色反応、凝固点効果の視覚化、
  化学反応を伴う水銀液滴の不規則挙動、キトサン繊維合成、日本化学会受理)
  新潟に戻り中学校にて理科教鞭、
  新潟高度情報処理技術学院にてプログラミング、マルチメディア教鞭。
  広汎性発達障害の息子とともに地域社会に貢献するため、鍼灸国家資格取得。
  はり・きゅう鍼藺堂(はりいどう)を開業。
  東洋はり医学会 本部指導者研修留学生 修了(経絡治療を学びたい方、ご相談ください)。
  現在に至る。

 資格:はり師・きゅう師(厚生労働大臣免許 国家資格)
    中学校・高等学校教諭免許 教科 理科
    認知症サポーター(認知症サポーターとは 厚生労働省)
 所属:MLP経絡言語プログラミング(Meridian Linguistic Programming) 代表
    一般社団法人 全国鍼灸マッサージ協会 会員
    ※現在ヘアドネーションボランティアのため、髪を伸ばしております。

当院は鍼を身体に差し込まないため、小児から高齢者まで鍼灸施術を受鍼して頂けます。
お困りの症状についてご相談ください。
予約優先 025−260−7732

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