私はいつも現実を見て、仕事をしている。いろいろな基本的に正しいと言われている常識があるけれど、その常識が正しいとは限らないからです。例えば子どもにとって親は大切です。ですから、3歳までのお母さんの存在はとても大切と言われてきました。これが3歳児神話です。ところが、3歳児神話が正しいとすると、3歳未満のうちにお母さんが事故等でなくなってしまえば、子どもの成長は上手くいかないことになります。実際にはお母さんがいなくても子どもは育たなくてはならないし、実際に育ちます。これが「親は無くても子は育つ」とのことでしょう。
こんな風に考えれば、3歳未満の幼児で、しっかりとした自分の意思を示せる子どもでも、まったくの他人の家に泊まることが可能ではないかとの仮説はありえることではないかと思います。
ちいちゃんがお・ち・るの巻
ちいちゃんは2歳10ヶ月の女の子です。4年生・2年生の女の子の3人姉妹です。自分の意思は強固です。嫌なものは嫌だし、姉妹で一番可愛がられているので、何でも主張してみんなから取り上げます。
ちいちゃんはとてもアグレッシブです。2歳児には少し無理な高い雲梯に平気でのぼっていきます。でも高くて危険になると「落ちる」と言って手を離してしまいます。でも大人が支える前に手を離すので、「お」と言ったら手を離し、「ちる」の段階では空中にいます。だからいつも怪我だらけです。周りの大人はちいちゃんから目を離すことができません。児童センターにお姉ちゃん達を迎えに来ても、小学生が50人くらいでドッジボールをしている中に、平気で突っ込んでいきます。
ちいちゃんのお泊りの巻
そんなちいちゃんのお母さんが「2人のお姉さんはおとなしい子どもでよかったけれど、ちいちゃんが生まれてからは、ゆっくり休むことができない」と言っていました。私が「ちいちゃんを一晩泊めてあげようか」と聞くと「いいいのですか」と言いました。それをちいちゃんが聞いていて、すっかり私の家にその日の夜に泊まる気になってしまいました。「田中先生の家に泊まる泊まる」と泣くので「今日はパンパースが無いから今度の金曜日にしよう」とのことになりました。真ん中の2年生の女の子も一緒に泊まりたいとのことで2人で泊まることになりました。それから2週間後、今度はちいちゃんとお姉さん2人とお友達1人の4人でまた泊まりにきました。そんなちいちゃんの話です。
ちいちゃんのジャンケンの巻
ちいちゃんはジャンケンが大好きです。朝食をみんなで食べた後に、ジュースを飲むことになりました。オレンジジュースとアップルジュースとグレープジュースがありました。ちいちゃんは早速「ちいはこのグレープジュースを飲む」と言ってとろうとしました。お姉ちゃん達が「ちい。ジャンケンできめよう」と言いました。ちいちゃんはジャンケンが大好きですから、「ちいもジャンケンをする」と言いました。
何回かのあいこがあり、ちいちゃんは三番目になりました。
一番に勝ったはるかちゃんが一番にとろうとしましたが、「ちいが一番」と言って、一番にとりました。ちいちゃんはジャンケンが大好きです。でも一番になっても二番になっても三番になっても四番になってもけっきょくちいちゃんが一番最初にとることになります。
ちいちゃんの胃袋は不滅の巻
ちいちゃんは好きなものはたくさん食べます。先回のお泊りではイチゴをたくさん食べました。牛乳もたくさん飲みました。二回めのお泊りなので越後姫を2パック買っておきました。でも今回はイチゴではなくて、グレープフルーツがお気に入りでした。上のお姉さんがグレープフルーツを食べるとすぐに食べ、真ん中のお姉さんが食べると食べ、はるかちゃんが食べると食べました。ちいちゃんは好きなものをたくさん食べます。でも好き嫌いがないので、味噌汁もパンも野菜炒めもヨーグルトも何でもおいしそうに食べます。ちいちゃんの胃袋は不滅です。でも先回にあれだけ飲んだ牛乳は、今回は飲みませんでした。
ちいちゃんのオリンピックの巻
ちいちゃんはもうすぐ3歳になりますが、言語能力も身体運動能力もとても優れています。でも、お姉ちゃんの真似をして高度なことでも何でもやりたがります。ですからいつも怪我をしています。でも敏捷なので極端な怪我になることはないようです。でも親や保護者はいつも注意してちいちゃんを見ていることが必要となります。
普通の3歳児がのぼらないような跳び箱にもお姉ちゃんと一緒にのぼっていきます。そして「お」と言うと、手を離して降りてくるので、お姉ちゃんも大変です。「お」と言ったら、降りるのをアシストすることが必要となります。
お姉ちゃんも身体がとても柔らかくて、逆立ちをして、そこからひっくりかえっておきることができます。ちいちゃんも「ちいちゃんのオリンピック」といって、片手を支えて、もう一つの手で自分の足を持ち上げ、Vを作ります。もう少ししたら、支えがなくてもできそうです。片足で重心をとるのは、小学生でも難しいことなので、びっくりです。
ちいちゃんが叱られるの巻
ちいちゃんは児童センターに来るようになってから2年近くになります。もうすっかり児童センターは自分の家です。家よりも走り回れるだけ、ちいちゃんにはパラダイスです。保育園からお母さんと一緒に、5時半くらいにお姉ちゃん達を児童センターに迎えに来ます。そして、体育遊戯室でのぼり綱をしたり、トランポリンをしたり、走り回ったりして30分は遊びます。6時になるとお母さんが「ちい。帰るよ」と言います。お姉ちゃん達はランドセルを背負って帰る準備をします。でもちいちゃんは帰ろうとしません。お迎えに来たのに、お姉ちゃんがちいちゃんが帰るのを待っています。
おかあさんがついに怒っても、ちいちゃんは不滅です。逆に切れてキンキラ声を出して、大騒ぎをしだす始末です。私はちいちゃんをとても可愛がっていますが。でもわがままは許しません。ついに私は「ちい。何を騒いでいる。このばかやろう」と叱りました。ちいちゃんは私に始めて怒鳴られたのでびっくりしてわんわん泣きました。私はちいちゃんを抱いて、「今度良い子になりなさい。でないともう泊めてやらないぞ」と言いました。ちいちゃんは「わかった」と言って、帰って行きました。可愛いからこそしっかりと叱ったり怒鳴ったりすることが必要です。よく叱っても良いけれど怒鳴ったり怒ったりしてはいけないという人がいますが、それは間違いです。怒鳴るということは叱る+感情が入っています。感情を込めて叱ることも必要です。問題なのはその感情をしっかりコントロールすることです。感情をコントロールして怒鳴ったり、怒ったりして、その後にちゃんと褒めてあげることが必要です。怒ったり、叱ったり、怒鳴ったりするのは最終的に子どもを褒めるためにやることだと自覚しておくことが必要と思います。
もちろん私はちいちゃんが素直に帰っていくのに「偉いね。また泊まりに来てね」と褒めてさよならをしました。
ちいちゃんは自然が大好きの巻
私は子どもの健全育成で大人がやれることは、環境整備と安全管理と考えています。よく、子どもの遊びを指導したいと、おっしゃる方がいます。でも、本来、子ども自身に生きていく力があると私は感じています。ですから、きれいで思い切って遊べる環境を作ってやることが、子どもに対する大人の使命と感じています。私はいつも大豪ていをもっているとみんなに言っています。時価は8億円です。しかも税金を免除してもらっています。大豪ていとは大豪庭です。坪40万円くらいの土地なのに2千坪もあるのです。そうすると8億円となります。それが平島公園です。私の40坪の自宅の真前にあります。平島公園をきれいにすることが私の使命かなとも思っています。私がちいちゃんを自宅に連れてこれるのも平島公園があるからです。平島公園で30分はたっぷりと遊ばせます。するとちいちゃんは安定します。大人の使命は子どもが安心して遊べる環境を地域の人と作ることにあるのではないかと私は強く思っています。
平島公園の隅の様子です。青色のネットのところに刈った草を置いています。
遊具もたくさんありますから、ちいちゃんはこの遊具を次々と周ります。いつもお母さん、お疲れ様。月に一回くらいは私はちいちゃんを追っかけて、公園の遊具を一回りしたいと思っています。
ちいちゃんにもぜひ見せたいのが、児童センターの近くに作ったクローバー公園です。緑部分がアカツメクサです。白いところはシロツメクサです。アカツメクサとシロツメクサでグランドカバーされて有明児童センターの周りもすっかりきれいになりました。
平成20年度の秋に植えたベニバナツメクサもきれいです。平島公園と有明児童センター近くの有明福祉会館に咲いています。ちいちゃんは夕方に児童センターや私の家に来るので、クローバーの咲いているのを見ることが少ない。でも緑の生み出す−イオンは大好きであると私は思っています。もしかして、ちいちゃんが児童センターや私っちに来るのは私が好きなのではなくて、児童センターや平島公園の自然が好きなのではないかと心配するこの頃です。でもちいちゃんはきっと、私がちいちゃんのために一生懸命環境整備をしているのを、感じていてくれるのではないかと自己満足をしたりもしています。
ちいちゃんのバイキンマン
2010年7月9日(金) ちいちゃんの4回目のお泊りです。先回は4人で盛り上がり、興奮しすぎて午後11時半くらいまで起きていたようです。今回は、雨が降っていたので、児童センターで午後7時まで遊びました。家に戻り、ご飯を食べた後に、ジャスコに本を買いに行きました。ジャスコに入ると同時に、幼児用のカートに乗りたいと言いました。早く寝せるためにも「ちいちゃんはもう3歳だから、自分で歩きなさい」と言いました。不満そうでしたが、そんなわがままは私は許しません。歩き始めたら、元気に走り回りました。ジャスコの2階の本屋に行き、おともだちの雑誌を買いました。その後、100円ショップに行って、4っつで105円のチョコを4人で買いました。また、食料品売り場に戻って、プラムを買いました。
しっかり歩いて30分ほど遊んだので、家に戻りました。
作戦はほぼ成功でした。家に戻り、お風呂に入り、デザートを食べ、歯を磨き、9時半に布団にみんなで入りました。10時半には見事にちいちゃんも寝ました。もちろん3人のお姉さん達はその前に就寝となりました。
翌朝の話です。ちいちゃんのお姉さん達に聞いたら、昨日はお父さんが出張で、お母さんは一人だったとのことです。私がちいちゃんに「お母さんは一人でいてネズミにかじられて顔がなくなっているかもしれない。アンパンマンの顔を作ってやらなければね。」と言いました。ちいちゃんは「じゃあちいはバイキンマンだ。」と言いました。じゃあお姉さんはと聞くと「もも太郎はドキンちゃん」と言いました。
「あゆっぺは食パンマン。はるかちゃんはバタコさん」と言いました。
独裁者ちいちゃんがそういうので、お姉ちゃん達はすぐにドキンちゃんや食パンマンになりました。はるかちゃんはどうしたらよいかわからないので笑っていました。
さて、これからお母さんに会ったら、顔がアンパンマンになっているか楽しみです。
このホームページは7月10日午前7時半に書いていました。その後に「ゲゲゲの女房」を2階で見ていました。ちいちゃんは私のマッサージ機ででんと座っていました。8時が過ぎ、出かけることになります。そこでちいちゃんにファイナルアンサーを聞きました。
「お母さんはネズミに顔をかじられて、アンパンマンの顔になっているかなあ?」
「アンパンマンになっている。」
「これから会うのが楽しみだね」
「楽しみだね」
そんな風に話をしていたら、なんだか、アンパンマンの顔になっているような気がしてきました。