児童健全育成指導士 田中 純一
私の職場は建築より28年目となり9年前に一回大規模修繕をしたのですが、外部排気口やフェンス・アルミサッシなど28年間で傷んでしまったところの修繕をしています。9年前の修繕は外壁の塗り直しとか部屋の改修など直接見えるところでしたが、今回はどちらかというと見えない地道なところの改修です。
ローラースケート場はやはり10年はもちません。28年間で3回改修しています。今回が4回目の改修となります。
今回の改修は今までの改修の経験も活かされて一番良い改修となりそうです。15年はもつのではないかと思います。私はずっと改修に付き合っているのですが、職人芸のこだわりを感じています。
これが出来上がった様子です。出来上がりの色も最高ですが、今回の仕事にはたくさんの職人さんのこだわりを感じました。上の写真の左下の部分が少し地の色が透けて見えます。黄色を2回塗りの予定でした。でもまだ地が透けていると言うので3回塗りにすることになりました。透けているのが2回塗りで透けていないのが3回塗りです。でも職人さんは3回塗りでも満足できない出来だと言うので4回塗りをすることにしました。明日に4回塗りをして完成となります。
上の写真が今までのローラースケート場です。FRPの樹脂で作ったものです。9年前に改修したのですが、ところどころが破れて穴があいてきました。滑っているとひっかかったり、膨らみに足をとられて転倒したりしました。今回はこのFRPを全部はがしました。そしてフェンスの部分まできれいにモルタルで補修をしてその上からウレタンを塗りました。(この時に排水溝もきれいに修繕してくれました。排水溝の清掃は毎日なので現場としてはとても嬉しいことです)その上からガラス繊維地を2枚張りました(先回は一枚でした)。その上からFRP樹脂を塗りました。フェンスの立ち上がりの部分もガラス繊維地で立ち上げてくれたので水がもぐりこむ危険が少なくなりました。次に防水性のウレタン樹脂を塗りました。その後に黄色と緑の色を塗ったのですが、この段階で色があまりにきれいなので黒い線を引くのがもったいなくなりました。それで黒い線をなしにしてくれないかと提案をしました。
設計上、ラインを引くことになっているので引かないわけにはいかないとのことでした。それでは黒い線をできるだけ狭くして欲しいと頼みました。「それならば黒ではなくて白い線にしてやろうか。」との話が出てきました。私は線というのは黒いものとの概念があり、しかも色の変更はできないと思っていたのですが、(それで前回と同じにしようと思っていたのですが)白い線なら一番です。職人さんも「せっかく良い出来栄えだから良いものにしたい」とのことで白い線に急遽変更することになりました。
白いラインを引いた後の養生テープをはがしている様子です。緑色(写真では青っぽく見えますが、もっと緑色です。)と黄色に白いラインできれいになりました。養生テープの貼り方(1枚の養生テープではなくて2枚で貼る)やコーナー部分も斜めにカットしておくなど学ぶことがたくさんありました。
あまりに素敵に出来上がって子どもに滑らせたくないなあと思ったりもしました。それはおいておいても完成したら、子ども達をここに連れてきて、きれいな状態で寝転ばせたり、裸足で遊ばせたりしたいと思っています。
職人さんたちありがとうございました。職人さんたちの職人芸とそのこだわりに感謝しています。
■職人芸のこだわり ローラースケート場
すごくいい仕事をしてもらいました。たぶん普通は10年でも私は15年はこのローラースケート場はもつのではないかと思います。
職人の仕事とは安易にその時の利益を求めるのではなくて、積み重ねの結果の信頼が仲間と仕事を生む関係ではないかと私は最近思っています。
つまらない仕事をして刹那的につなぐよりはきちんとしたことをやって、自分の世代だけではなくて自分の子ども・孫・ひ孫までへとつなげる仕事をしたいものです。