Rose Botanical Art

バラの種類

バラの学名:Rosa,  科名:バラ科, 属名:バラ属。
種々な分類法があるが、一般的には野生種、オールドローズ、モダンローズの3つに分類している。
またイギリスのDavid Austinの作出したバラを特にイングリッシュ・ローズ(ER)という。

1) 野生種(Sp)

 

 人の手による品種改良がなされていない野生のばら(Wild species)をいう。
約150種あるといわれているが、現在のバラは約8種の野生種から品種改良されている。

 
名 称原産地
 ノイバラ (Rosa multiflora) 日本 (房咲き性のバラの祖、日本では接ぎ木の台木として利用)
 テリハノイバラ (Rosa wichuraiana) 日本、朝鮮、中国 (つる性バラの祖)
 ロサ・モスカータ (Rosa moschata) 中国、西アジア、南ヨーロッパ、北アフリカ (ムスク香のバラの祖)
 コウシンバラ (Rosa chinensis) 中国 (四季咲き性のバラの祖)
 ロサ・ギガンティア (Rosa gigantea) インド、ミャンマー、中国 (大輪のバラ、剣弁咲き、ティー香のバラの祖)
 ロサ・ガリガ (Rosa gallica) 中近東 (赤いバラの祖)
 ロサ・カニナ(Rosa canina) ヨーロッパからアジアにかけて広く分布 (ヨーロッパで接ぎ木台木として使用)
 ロサ・フェティダ (Rosa foetida) ジョージア (黄色バラの祖)

2)オールドローズ(Old)

 モダンローズ第1号(ラ・フランス、1867年作出)以前から栽培されている品種をいう。
オールドローズの特徴は、花弁の枚数が多く、香りが強いこと、半つる性で大部分が一季咲き。
花の大きさは小輪から中輪(8㎝程度)まで。

                         
名 称略式記号特徴
 アルバ A 花色は白、ピンク、甘いさわやかな香り
 ブルボン B コウシンバラと他のオールドローズとの交配種、大輪、多花性
 ケンティフォリア C ピンク、多弁花、
 ダマスク・ローズ D 濃厚な甘い香り、香料の原料として栽培
 チャイナ Ch コウシンバラとロサ・ギガンティアの交配種、四季咲き
 ノアゼット N 小輪、花色は白、ピンク、四季咲き、半つる性、房状に咲く

3)モダンローズ(Mod)

 1867年にモダンローズ第1号(ラ・フランス)が作出された以降の現代バラの総称。
代表的な品種がハイブリットティー(Hybrid Tea Rose)で、切り花の一輪咲きはほとんどがこの系統。

 
名 称略式記号特 徴
 ハイブリド・ティー・ローズ HT 現代バラを代表する系統、直立性、大部分が高芯咲き、八重咲きの大輪
 フロリバンダ・ローズ F ポリアンサ系とHT系を交配してできた。中輪で一茎にたくさんの花が咲く。
 ポリアンサ・ローズ Pol 一重から八重咲きの小さな花を7~15個つける。
 ミニバラ Min ロサ・キネンシスの花の小さな原種から交配により作られた。
 現在は主にフロリパンダ系の交配により作られている。