『千紗ちゃんと遊ぼう 公園編』

 

その日はいいお天気でとっても気持ちのいい陽気でした。

あんまりいいお天気だから千紗はベランダで日向ぼっこをしてましたですよ。

「うにゃ〜、ぽかぽかしてとっても気持ちいいですぅ☆」

千紗がしばらく日向ぼっこをしていると家の前をお兄さんが歩いているのを見つけたですよ。

そこで千紗はベランダからお兄さんに声をかけました。

「お兄さ〜〜〜ん!!」

お兄さんは突然声をかけられて少し驚いたみたいで回りをキョロキョロしてましたです。

千紗がベランダにいることに気がついていないみたいですよ。

「お兄さ〜ん、ここですよぉ!!上ですぅ!!」

千紗がもう一度お兄さんを呼ぶとお兄さん、ようやく千紗に気づいてくれたです。

「あっ!!千紗ちゃん、そんなとこにいたの。声は聞こえたのにどこにもいないからおどろいたよ」

「へへへ☆」

「ところで千紗ちゃん、そんなところでなにやってるの?」

「千紗は日向ぼっこをしてるですよ☆」

「今日はいい天気だから、気持ちよさそうだね」

「はいです☆とっても気持ちいいですよ。お兄さんはどこかへお出かけですか?」

「うん、ちょっと公園まで行くんだけど……そうだ、千紗ちゃんも一緒に行く?」

「えっ、千紗も一緒にいっちゃっていいんですか?」

「もちろんだよ。それで千紗ちゃん、どうするの?」

「にゃあ、千紗も行きますですぅ。お兄さん、ちょっと待っていてくださいですぅ!」

そして千紗はいそいでお兄さんのところへ走ったです。

お兄さんを待たせたら悪いですから☆でも、

「にゃ!!」

バタン!!

「にゃ〜〜〜、千紗またころんじゃったですぅ…」

「千紗ちゃん、大丈夫?」

「あ…お兄さん…大丈夫ですよ。千紗は丈夫なのが取り柄ですからこれくらいへっちゃらです☆」

「でも気をつけないとダメだよ。怪我すると大変だからね」

「はいです☆千紗、今度はちゃんと転ばないように気をつけるですよ!!あれっ?」

立ちあがってお兄さんの方を見ると、お兄さんの横に幼稚園くらいの子供がいましたです。

多分さっきベランダからお話していたときは建物の影にいて見えなかったんですね。

「あの、お兄さんその子たちは誰ですか?」

「ああ、そうそう、この子たちは俺のマンションの隣の子で今日一日ちょっと面倒見ることになったんだ」

「そうだったですか、どうも初めまして千紗は千紗っていいますですよ、よろしくですぅ☆」

千紗がその子たちに挨拶すると、その子たちも元気に挨拶してくれたです。

「こんにちは!!私、由紀っていいます!!」

「オレ、明人っていうんだ!!」

「それで子のたちにせがまれて今から公園でも行こうかと思ってたんだ」

「にゃあ〜、そうだったんですかぁ。」

「千紗お姉ちゃん、一緒にあそぼ〜!!」

「あそぼ〜!!」

「はいです、一緒に遊びましょうですぅ☆」

 

そして千紗たちは春のあたたかい日差しを受けならがら公園へむかいましたです。

この公園はとっても大きくて千紗も昔、お父さんとお母さんとよく遊びましたですよ。

公園についたら由紀ちゃんと明人くんは元気よく走りだしましたです。

「砂場に行こう、千紗お姉ちゃん!」

「早く早く〜〜〜!!」

「にゃあ!!待ってくださいですぅ!!お兄さんも早く来てくださいですぅ!!」

由紀ちゃんと明人くんに続いて千紗とお兄さんも走りましたです。

「じゃあ何を作りますですか?」

「おっきなお山を作ろ〜!!」

「それでトンネルも掘るの!!」

「わかりましたです。千紗も一生懸命作りますですよ☆」

そうして千紗たちはお山さんを作り始めましたです。

みんなで頑張って大きなお山さんを作りましたです。

「やった〜、出来た〜〜〜!!」

「にゃあ〜、とっても大きくなったですぅ☆」

「じゃあ次はトンネルを掘ろ〜!!」

「掘ろ〜!!」

「それじゃあ、千紗はこっちから掘りますですから、由紀ちゃんと明人くんはそっちからお願いしますですぅ!!」

「うん!!」

「りょうか〜い!!」

由紀ちゃんと明人くんは元気よくお返事をしてくれるとトンネル掘りをはじめましたです。

「うんしょ、うんしょ」

千紗、一生懸命にそして壊さないように慎重に掘りましたですよ。

「よいしょ、うんしょ」

由紀ちゃんたちも頑張って掘りましたですぅ。

でもあと少しで貫通というときでした。

「にゃっ!!」

千紗がトンネルの奥に手を伸ばしたらバランスを崩してお山さんに体ごと倒れちゃったですぅ…

「にゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

みんなで一生懸命作ったお山さんと千紗、壊しちゃったですぅ…

「千紗、千紗ぁ………」

千紗、どうしたらいいか、わからないですぅ………

由紀ちゃんと明人くんもなんだか悲しそうですぅ。

「うわぁ〜ん、お山が〜〜〜!!」

にゃあ、明人くんが泣いちゃいましたですぅ。

「わ〜〜〜ん!!」

それにつられるように由紀ちゃんも泣いちゃいましたですぅ。

千紗はどうしらたらいいかわからないですけどとにかく謝りましたです。

「ごめんなさいです、ごめんなさいです、ごめ………にゃあ〜〜〜〜〜〜!!」

謝りながら千紗もとっても悲しくなっていつのまにか一緒に泣いてましたです。

「うわぁ〜ん!!」

「わ〜〜〜ん!!」

「にゃあ〜〜〜〜!!」

千紗たちは、えんえん泣いちゃいました。

あとで聞いたことですけど、このときお兄さんとっても困っちゃったらしいですぅ。

ごめんなさいです、お兄さん。

 

「じゃあ次はなにをして遊ぼうか?」

と、お兄さんがようやく泣き止んだ千紗たちに聞いてきました。

「う〜んと」

「え〜と」

由紀ちゃんと明人くんは少し迷っていましたけど、

「かくれんぼ!!」

と元気よく答えましたです。

「にゃあ!かくれんぼですね☆」

千紗はちょっと喜びましたです。

実は千紗、かくれんぼは得意なんですよ、えっへん!!

なぜかわからないですけど、千紗は普通の人が隠れられないようなところでも隠れちゃうらしいです。

前に一度、変なお兄さんに、

「ネコは頭が通ればどんなせまいところでも大丈夫らしいぞ」

と言われましたけどそれは関係ないですよね?

だって千紗はちゃんとした人間ですから。ネコさんじゃないですよ。

そして、ジャンケンでオニさんを決めましたです。

お兄さんがオニさんになりましたです。

「い〜ち、にぃ〜、さ〜ん………」

お兄さんが目をつむっている間に千紗たちは隠れましたです。

えっ、千紗がどこに隠れたかですか?

えへへ、それは秘密ですぅ☆

しばらくして、由紀ちゃんと明人くんは見つかっちゃったみたいです。

でもまだ千紗は見つからないですよ☆

千紗、ちょっとだけ隠れている場所から顔を出して様子をみましたです。

お兄さん、そして由紀ちゃんと明人くんも一緒に千紗を探してますです。

でも、千紗はそう簡単には見つからないですよ!!今回の隠れ場所は自信がありますです!!

それからお兄さんはしばらく千紗を探してましたけど急に探すのをやめちゃいましたです。

「にゃあ!お兄さん、あきらめちゃったんですか?」

千紗がそう思っていたら、お兄さんはなにやらポケットから取りだしましたです。

千紗からはそれが何なのかよく見えないですよ。

でもでも、かすかに『キコキコ』って金属的な音が聞こえましたです。

そして何かとってもいい匂いがしてきましたですぅ!!

そうしたらお兄さん、

「千紗ちゃ〜ん、ネコ缶だよ〜、出ておいで〜〜〜!!」

と、千紗を呼び始めました。

にゃあ!千紗はネコさんじゃないです。エサにつられたりしないですよぉ!!

でも………なんだかとってもいい匂いですぅ………にゃ〜、おいしそうですぅ………

「にゃ!!千紗、今何を考えていたですか?なんだか一瞬意識が無くなったみたいですぅ」

千紗、意識をしっかりしようとしましたですけどまたあのおいしそうな匂いがしてきたですよ。

「ほら〜、千紗ちゃんとってもおいしいよ〜!!」

またお兄さんの声がしました。

そうしたら次の瞬間、

「にゃあ〜〜〜〜〜♪」

千紗はお兄さんのところに走り出してましたですぅ。

「あっ、千紗ちゃんみ〜つけた!!」

「にゃあ〜、お兄さんずるいですよぉ……」

「あはは、ごめんごめん、まさか本当にこれで出てくるとは思わなかったから」

そう言ってお兄さんは笑ってましたです。

千紗、ちょっとだけ悔しかったですよ。

 

「ふぅ〜、ちょっと喉かわいちゃったな、ちょっとジュースでも買ってこようか」

かくれんぼが終わってお兄さんが言いましたです。

「ボク、コーラがいい〜!!」

「私、オレンジジュース♪」

「じゃあ、今買って来るから少しまっててね。千紗ちゃんは何がいい?」

「えっ、千紗ですか?千紗はお金もってないですからお水でいいですよ」

「俺のおごりだから気にしないでいいって♪」

「でもでも千紗、やっぱりお兄さんに悪いですよ」

「そんなことないって。それにさっきネコ缶を使ったおわびも兼ねてだしさ」

「じゃ、じゃあ千紗は牛乳をお願いしますですぅ」

「ぎゅ、牛乳?」

「はいです☆牛乳はおいしくてとっても栄養がありますです。それに…」

「それに?」

「牛乳を沢山飲むと大きくなれるってお父さんが言ってましたですぅ☆」

「千紗ちゃんはもっと大きくなりたいの?」

「はい。大きくなればきっともっともっとお父さんとお母さんのお手伝いが出来ますですよ」

「…………千紗ちゃん、君って子はなんてけなげな……」

「にゃ?お兄さん、お目々が赤いですよ。どうしましたですか?」

「い、いや、なんでもないよ。それじゃあ、ちょっと買ってくるね」

「お兄さん、このご恩は一生忘れないですぅ☆」

そしてお兄さんはジュースを買いに行っちゃいましたです。

「ねーねー、千紗姉ちゃん、俺達シーソーで遊んでくるよ」

由紀ちゃんと明人くんはまだ遊びたりないみたいですぅ。

千紗も一緒に遊びたかったですけど、お兄さんが戻ってくるのを待ってないといけないですぅ☆

お兄さんが戻ってきて誰もいなかったらお兄さん可哀想です。

「じゃあ、千紗はここでお兄さんを待ってますですから気をつけて遊ぶですよ」

由紀ちゃんと明人くんがシーソーのほうに行ったあと、千紗はお兄さんが戻って来るまで芝生で少し休みましたです。

あったかい日差しを受けながら芝生で寝るととっても幸せですぅ☆

にゃ〜、なんだか、千紗眠くなってきちゃったですよ………

やっぱりお昼寝は気持ちいいですぅ………

 

「お待たせ〜、あれ、千紗ちゃんたちはどこ行ったのかな?」

「にゃ〜………お兄さん………」

「千紗ちゃんそこにいたの…って寝ちゃったのか」

「むにゃ………」

「でも、寝顔もかわいいよな、千紗ちゃんって」

「………お兄さん…………」

「ん?何、千紗ちゃん」

「………お兄さん………大好きですぅ………むにゃ…」

 

それはとってもとってもいいお天気の出来事でした☆

☆おしまい☆